版画家・後藤英彦
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後藤英彦



版画家
私の作品は膨大な量の小さなモノクロのドローイングから生まれます。無意識の中の深層から、うつろい生まれるドローイングの繰り返しです。
ただ1点の作品のために、何年も描きためた膨大なモノクロフォルムから、詩的な言葉やイメージのようなもの、あるいは説明できない何かを感じさせるフォルムをドローイングから探し出す作業を長い時間をかけて行います。
フォルムを決めたあとも、そのフォルムを何日もひたすら見続けるのです。かすかな色が自然に見えてくるまで長くつらい作業です。そうしてようやく自分自身の中の精神的な一体感を感じさせてくれるような作品にめぐりあいます。
生まれてくる作品は、自分自身の知らない心の奥底を眺めているような感覚でとても興味があります。私にとって水性木版画という技法は、情緒的な湿りを含むイメージを表現する手段として、とても肌に合っているように思います。
作品1・後藤英彦 作品3・後藤英彦
作品2・後藤英彦
兆し(13/30)(32.5cm × 25cm)左
さなぎの夢(4/30)(32.5cm × 25cm)右上
砂に映る月(29/50)(32.5cm × 25cm)右下
美術専門学校で木彫を学んだ後、現代木版画摺師に弟子入り、木版と本ばれんの制作を学ぶ。1979年ばれん工房菊英を設立。本ばれんのほか代用ばれん・木版画用具の企画・開発に携わる。無所属の作家として個展を中心に作品を発表。
1989年
‘89(期待の新人作家)大賞展 優秀賞
1992年
ノルウェー国際版画トリエンナーレ 名誉賞
1996年
第6回 ミヤコ版画賞展 都賞
2003年
第9回 鹿沼市立川上澄夫美術館 木版画大賞展 審査員賞